予熱の効果(ウガンダ浅煎り)

Scott Rao氏の本を読むと、焙煎の最初にある程度の熱量を一気に入れて、豆の表面が乾燥する前、生豆内部の自由水が残っているうちに、豆の芯まで熱を通してしまうことが重要と書いてある。

ということで、それを確認してみたく、煎り上手を使って予熱なし、あり、の二通りの焙煎をやってみた。予熱の有無以外はなるべく同じ条件になるように無理やりやっているため、RORのカーブは結構乱れている。これは致し方ない。

プロファイルはこんな感じである。予熱の効果(ウガンダ浅煎り)

重ねたデータを見ると、焙煎最初の2分くらいのカーブ以外は、かなりきっちり同じラインを描いていることが分かるかと思う。薄いライン(灰色)が予熱あり、黒のラインが予熱なしのカーブである。
ウガンダ(予熱有無重ね合わせ)DTR24

データ的にも、見た目的にもまず区別できない程度に焙煎できた。

予熱の効果(比較データ)

さて、これを24時間置いて、本日カッピングしてみた。
同じ検体を2カップずつ、合計4カップを作り、それをブラインドで確認したところ、とても微妙な差ではあるが、ちゃんと区別は出来た。

結論としては、予熱なし焙煎の方も、想定していたような芯残りは感じられず、ただ酸味がマイルドになっていた。一方、予熱を入れた方は、くっきりとした酸味が立っており、まぁこれも理論通りの結果ではある。正直、どちらも美味しく感じて、特に優劣は付けれなかったが、珈琲豆の持っているポテンシャルを最大限に引き出す、という意味ではやはり予熱を入れた方が良い。

予熱の効果(カッピング)

ちなみに、今回の実験は煎り上手のように急加熱もスローダウンも自由自在に出来る焙煎器だからこそ出来た。普通のドラム式焙煎機では熱容量が大きいため、予熱なしで焙煎を始めると、必然的に長時間焙煎となるため、この場合は全く異なる味になるはずである。

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