随分と前になるが、荻窪の日本ネルドリップ普及協会のことをブログに書いた。
そこで買った「日本ネルドリップ抽出珈琲店」なる小冊子の中で紹介されている店を当時、順番に巡っていたものだが、途中からコロナ騒ぎなどで中断したまま4年ほど月日が流れた。実は残すところあと2軒だけだったのだが、本日ふと思い立ってその残り2軒に訪れてみた。
珈琲商店ハト
市川真間駅近くにある何とも不思議な名前の店であるが、店主に聞いてみたところ、小さい時に叔母さんの家をハトの家と呼んでいたところから付けたとか。ご覧のとおり、普通に歩いていたら通り過ぎてしまうような控えめな外観。ネルドリップ店は、こんな感じの主張控えめな店が多いような気がする。もしかするとあまり沢山のお客に来られても対処できないので、わざと地味な外観にしているのかな。ちなみにここはワンオペの店。
早速入ってみると、ミニマムサイズの店内はカウンター席のみ。メニューは大坊珈琲店を彷彿させるもの。取り合えず深煎りブレンド670円とガトーショコラ450円を注文。
写真はダメと言われたので、店内写真は言われる前に素早くとった2枚だけ。左奥に大坊式の手廻し焙煎器が見える。
ちょうど僕と同じものを注文した方がいたらしく、約40gの粉を使って2杯分をネルドリップで淹れてくれた。カフェスタイルコジロウさんでみた赤いランブルポットで3分20秒かけてステンレスの鍋に点滴抽出。途中で容器を替えて2番出しも取っておくやり方は大坊さんと同じ。抽出した珈琲は小さな銅製のイブリックで温め直して、2番出しを少し足して量を整えてから提供してくれた。
コーヒーの味は、点滴抽出のネルドリップならではのまったりとしたもので、バニラ香が心地よい。後で聞いたら、ブラジルの焙煎度違いをブレンドしているとのこと。トイレに行く際に生豆の袋があったので確認したら、僕もちょくちょく焙煎しているサンコーヒーのブラジル・ショコラであった。
店主はすべて自己流で始めたと言っていたが、明らかに大坊珈琲の方式を色濃く踏襲していると思った。ただ少し驚いたことには、珈琲豆を挽く前にまず香りを嗅いで、粉にした後は鼻をかなり近づけて、ちょっとしつこいくらいにまた嗅いで、ネルドリップで抽出後は少し取り分けたものを試飲してみて、となかなかの完ぺき主義者のようであった。
TIES
そしてこれがラストの16軒め。ついにVer2の冊子の中の店は全制覇である。やったぁ!
こちらもかなり地味な外観だが、湯島という場所柄もあって、かなりおしゃれな雰囲気。
さあさあ、最後の店はどうよ、と勇んで入店。
ここでもブラジル、繁田さんが自慢していた例のジアマンチーナを注文。メニューには30gの粉を使って110ccを抽出とある。目の前でネルドリップしていたので何回か時間を測ってみたところ、ゆっくりと点滴をしているようでも開始から終わりまでの時間は2分前後と以外と短い。ここも小さな店であるが、アルバイトと思われる店員を含めて3人で回している。それでもお客がどんどん入ってくる上に、店主は1杯ずつ淹れるので、なかなか忙しそうで最後まで話しかける雰囲気にはならなかった。
ソーサーには深い凹みがあって、カップがソーサーにスポッと収まるユニークな形状で、裏返してみたが薄いマークの刻印だけでメーカーは不明であった。コーヒーの方は僕には正直言ってちょっと濃くて苦味が強過ぎた。出来れば生クリームでも浮かべて飲みたかったなぁ。
何はともあれ全制覇! 自分をほめたい ^^)
といいながら、実はハトさんでVer5を入手してしまった。こちらは「日本ネルドリップ珈琲抽出店」。Ver2では「抽出珈琲店」だったので並び順がことなっている。Ver2では東京近郊のみであったがこちらは全国版ということで、ページ数はVer2の20ページから大幅に増えて72ページもある。1760円だったかな。
さて、こちらも時間を見て順番に訪問していきたいと思う次第。
余談
途中でこんな店をみかけたが、さてこの「深煎粗挽」とはいったいなんなんだ!?
粗挽きネルドリップというのは昔からあるが、こちらはなんとなく変な言葉だ。なんのために粗挽きにするのか。粗挽きにより抽出効率を下げて、その分、粉を贅沢に沢山使う、ということなのだろうが、それって何のため? もしかして品質が悪い珈琲豆を使うので、なるべく雑味を出さないようにさっと抽出したい、という意味なのかな? なんて、ふと疑問に思った次第。
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