ネルドリップという日本の文化

日本ネルドリップ珈琲普及協会という大変興味深い場所が荻窪駅近くにあり、そこに行くと繁田さんという人がいて、それはもう色々と珈琲業界の古い話から最近の話題まで途切れることなく沢山話してくれるので、僕にとってはプチ聖地となりつつあります。そこが東京近辺の本格的ネルドリップ珈琲が飲める店(+自家焙煎)を16軒ばかり選んで掲載した小冊子を出しています。(↓)
ネルドリップ協会
もちろん当然のように僕も順番に制覇していっているわけですが、昨日、仕事で品川に外出した折りに足を延ばして田町のダフニに行ってみました。ここは少し耳も遠くて不愛想な感じのおばあちゃんが一人で焙煎からネルドリップまでやっていますが、なんとメニューがありません店頭で好きな豆を選んで淹れてもらうというスタイルで、豆の値段は違うけど、実はどれを選んでも一杯500円です。それを知らずに入って、写真の店内表示(1杯4500円!?)をみてちょっとビビっていたのですが、他のお客さんが支払っているのを見てシステムがわかりました。エチオピア・イルガチェフェのナチュラルを頼みましたが確かに500円でした。(^^; 
Dahuni_Geisha

店はとても小さく間口も地味で、およそ商売っ気がないのですが、お客は見る間に4組くらい入ってきて意外と繁盛していました。ネルドリップ自体は日本発祥の技術ではないようですが、今はもう日本独自の文化であり、恐らく世界中のネルドリップの店の99~100%は日本にあり、その中で特に気合の入った100軒を選んだとすると、3割くらいが東京近郊で残りは日本中に点在、という感じではないかと思われます。とても個性的な店が多く、あちこち探訪するのが面白くて仕方がありません。
Dahuni


2023/09/13追記
実はその後、気づいたのですが、ここは嶋中本にも出てくる有名な桜井さんという方のお店なのでした。襟立イズムを組む遠赤外線発生装置付きのクラシカルな焙煎機を使い、かなり深めに焼いておられます。しかしなぜ冷却装置の中に生豆が入っているのかは謎だな。これは今年の3月頃に行ったときに撮った写真で、この時は閉店間際で店内では飲めませんでしたが、焙煎豆は買って帰りました。

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