最近、ちょくちょくやっている焙煎方法があります。
それはたぶんサンプルロースターならでは(?)の焙煎方法です。
以前は豆の投入量は400gと決めていましたが、この焙煎方法では300gに抑えることで熱量のコントロールしやすさを狙います。最初に空のまま火にかけて回しながら150度くらいまで予熱して豆を投入したら、火力全開で150度くらいまでもっていきます。この場合、1分で15度前後の温度上昇となります。そこで少し火力を落として、今度は1分で10度かそれ以下の上昇になるように火力を調節しながら、1ハゼ近くまでもっていきます。1ハゼは大抵は205度前後で開始するので、その後は基本的に一番弱火にします。この場合、1ハゼはややおとなしめに2分ほど続き、やがて静まります。
ここからが不思議で、そこから10分以上ずっと弱火で加熱し続けて、温度は210度かそれ以下でキープしていると、2ハゼがいつまでたっても来ない、という現象が起きます。今のところ、タンザニア、パプアニューギニア、ケニアなどで試していますが、どれも同じでした。この現象を使うと恐らく30分くらい焙煎し続けても焦げることなく順調に焙煎が進み、大坊珈琲店のような深煎り豆が作れそうです。
といいながら、まだそこまでやったことはなく、本日も結局、1ハゼ後12分、合計21~22分で煎り止めしてしまいましたので、結果は御覧の通りでした。(^^;
焙煎直後から既に強い香りを放っており、美味しい珈琲が作れること間違いなしです。
もっと深く煎ったつもりなのに、冷めてから観察するとまだまだ先に進めそうな感じ。
この豆を使って、ネルドリップ+点滴抽出(5~6分)した濃い珈琲を、熱湯で薄めてストレート、もしくはミルクフォームでカフェラッテに仕上げると、円やかな甘みが感じられる素晴らしい味になります。
コメント
>>3
元々珈琲豆を構成する植物細胞の中に含まれる油脂は焙煎を深めていき細胞壁が破壊されると表面に出てきて、焙煎直後であっても豆をテカテカさせますが、2ハゼが始まる温度を超えないように、だらだらと豆温度210℃台で均衡を保ちながら長時間焙煎すると、焙煎して数日経っても全くと言っていいほど油分が出てきません。これは褐色色素などで豆の色は黒くなり焙煎が進んだように見えても、細胞壁があまり壊れていないからではないかと思われますが確信はありません。
大坊さんの焙煎を目指し500gユニオンサンプルロースターで焙煎しているものです。
30分焙煎を目指しているのですがうまくいきません。ここに書いてあるように30分やると焦げでしまいます。
大坊さんの焙煎を見たことはないのですが、入り留めの豆をみると油が沢山でているように思えます。
しかし長時間焙煎すると油分もなくなっていきます。長時間焙煎して油を出すにはどうしたらいいと思いますか?
もし何か分かることがあればメールアドレスを載せるのでこちらにご返信いただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。
kumotorhythm14@gmail.com
>>1
ピロリさん、コメントありがとうございます。
結局2ハゼが来る来ないは豆温度で決まるようで、どんなに長時間焙煎を続けても2ハゼが始まる温度に到達しなければそのまま静かに焙煎が進むということでした。
有名なのは大坊さんの焼き方ですね。30分くらいかけて焙煎するとのことですが、途中で2ハゼを開始させてしまったら30分後はきっと炭になってますね。
味の方ですが、こういう焼き方に耐えれるだけの密度を持った豆(≒高品質)であれば、まさに点滴ネルドリップ向けに仕上がると思います。つまり少し低めの温度のお湯で5分以上かけてゆっくり抽出するととても深みのある、苦みの中に甘みを感じるような味になる傾向があるかと。ただし、ナチュラル精製などの強力なフレーバーを持つ豆以外では、どの豆も同じような味わいになる傾向もあると思います。30分は面倒くさいけど頑張れば美味しいです!
大変興味深く読ませて頂きました。
私も同じサンプルロースターで焙煎をしているのですが、2ハゼがこないというのは面白いですね!
なんだかロマンを感じます笑
ところで、普通に焙煎されたものと比べ、同じように抽出した時のお味はどうなのでしょうか?
想像では苦くなりそうな、苦味以外の味が抜けていきそうな感じがしますが…。