超短時間焙煎~生豆に焦げが出来る原因を探るための実験(前半)

昨日ブログに書いたとおり、いきなり高温で短時間焙煎した場合、珈琲豆に焦げが発生するかの実験を行ってみた。

一般的な焦げの種類と定義は以下のとおりである。この中で今回のテストでは特にScorchedやFacedという現象が発生するかに注目しているので、結果が見えやすいように少し浅めで煎り止めている。

Scorched(焦げ)
 – 投入温度が高過ぎることによる初期の焦げ
 – 黒いスポットが出来るが、焙煎後は判別が難しい
 – 浅煎りでもスモーキーなフレーバーが感じられる
Tipped(欠け、割れ)
 – 熱量過剰で最も構造が弱い胚が焦げること
 – ビスケットの風味やスカンク臭、焦げ臭など
Faced (豆の表面焦げ)
 – 投入量過剰で攪拌が不十分となり、豆表面が焦げる
 – 熱量が多過ぎて、乾燥した豆の表面が焦げる

結論から先に書くと、

  • 高い投入温度で短時間焙煎したくらいでは焦げない

という結果であった。

テスト用の豆:
高温焙煎に強いとされるウォッシュト精製がタンザニア・シンジンゴ、弱いとされるナチュラル精製はエチオピア・シャキッソを50gずつ使用した。

実験手法:
煎り上手を220℃まで予熱して生豆を投入。そのまま高加熱で焙煎して、220℃に達したら排出。

プロファイルはこんな感じとなった。

こちらがウォッシュト精製で焙煎時間は2分35秒ほど。
Test1_Tanzania_Washed_30g

そしてこちらがナチュラル精製で、焙煎時間は2分30秒
Test2_Ethiopia_Natural_30g



焙煎した結果はこんな感じ。全く焦げていない!!

Test1タンザニア焙煎豆

Test2エチオピア焙煎豆

排出温度は220℃と言えば通常はミディアム・ハイ程度の焙煎度合いとなるが、これだけ短時間だと重量減は10.3%と9.3%とさすがに少なく、さてこれを何と呼んだものか。

見た目は結構飲めそうな雰囲気であるが、どうだろうか。
明日は、この豆の断面を調べたり、抽出したコーヒーの味も確かめてみたい。
もしこれで意外と美味しかったりしたら、ちょっとカルチャーショックである。

それにしても煎り上手は、長時間焙煎も可能なら、超短時間焙煎も可能な面白い道具である。

今回は証拠動画も撮ってあるので後日YouTubeにアップしたいと思う。
さらに次は超短時間深煎り焙煎にも挑戦してみたい。

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