2つの焙煎機どうしで同じ焙煎度にするための温度補正プロファイル

僕の焙煎道具と言えば、最近では専らメイン機のCormorant CR600と「煎り上手」で、その他の焙煎機、GeneCafe, Sandbox Smart R1, UNIONサンプルロースター、あるいは手網、といった焙煎道具はほとんど出番がない。 要するに最初の2つがあれば大抵は事足りてしまうのである。
Peruオフセット確認

さて、どちらの焙煎道具でもArtisan焙煎ロガーを使っており、役割としては、新しい豆に当たるときには煎り上手が常に先鋒で、バッチ量70gと小回りが利くこと、そして自由自在にプロファイルが描けることが大いに役立つ。 そうやって焙煎度を決めたら、その時のプロファイルもあることだし、それをバッチ量600gのCR600で再現したいわけだが、ことはそう簡単ではない。

複数の焙煎機を使っている方ならご存じかと思うが、焙煎機によって温度表示がかなり異なるという事実があるのである。

例えば「1ハゼ開始」という比較的分かり易いイベントで比べると、CR600と煎り上手では 6-8度程度のズレがある。CR600の1ハゼは194度前後で来るのに対して、煎り上手では200-202℃くらいの時が多い。
Peruオフセット焙煎豆

本日は当初は煎り上手でなんとなく水洗式のペルー豆の煎り分けテストをしていたのだが、途中から方針変更して、KOPE花伝カフェさん用にCR600で焼くときのペルーの焙煎度合い(重量減83.5%前後)を煎り上手で再現する、ということに挑戦してみた。

結論から言うと、オフセット分を勘案した排出温度で取り出すと、かなり近い焙煎度合いになることが改めて確認できた。CR600の排出温度が225度で、同じ程度のDev時間(1ハゼ開始~排出までの時間)であれば、煎り上手の場合のオフセットを6度として、231度で排出すればちょうど同じ焙煎度合いになる。今回はDev時間はほぼ同じであるが、オフセットが5度弱と少し足りなかった分、目標の83.2%に対して83.9%となり、若干浅い焙煎となった。

Peruオフセット確認

4回の各試行の焙煎度は、Take-1: フルシティ、Take-2: シナモン、Take-3: ミディアム、Take-4: ミディアム・ハイ といったところである。

焙煎順がバラバラな点はご容赦願いたい。取り合えず焙煎順にプロファイルを掲載する。

Take-1: フルシティ(※途中でArtisanの設定を弄りながらで、かなりいい加減な焙煎)
PeruHope-Take1-241

Take-2: シナモン
PeruHope-Take2-219

Take-3: ミディアム
PeruHope-Take3-225

Take-4: ミディアム・ハイ (※これが一番、ターゲットに近い焙煎)
PeruHope-Take4-230

ちなみに、テストしているうちに少しずつ気合が入ってきて、Take-4は Take-3のプロファイルをBackgroundに出して、それを辿りながら少しその先まで焙煎する、という焙煎であったが、こんな感じでしっかりと重なっている。頑張ればこのような焙煎が可能なのが、煎り上手+焙煎ロガーの醍醐味である。

PeruHope-Take4-with-Take3

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