なるべく同じ焙煎プロファイルで焙煎した異なる産地の珈琲の比較をやってみた。
今までもなんとなくは近いことはやったことがあるが、考えてみれば真面目にテスト比較したことはないことに気付いた次第。
今回は素材としては以下の2つの珈琲を選択した。実はこれらは中途半端に残っていた豆で、購入後に1年以上放置してあったため、恐らくインポートされてから2年程度は経過したPast Cropで、ウォッシュト精製の豆である。
ペルー・クナミア・オーガニック(北東部に位置するアマゾナス州)
エルサルバドル・シティオ・デ・マリア農園 (西部サンタアナ県)
さて焙煎に関しての変動要素をあまり多くするとなんだかわからなくなってしまうので、以下の要素を揃えるようにしてみた。一方で、1ハゼ開始温度と時間、トータル焙煎時間に関しては完全に揃えることは困難で、とにかく焙煎曲線が近くなるようにした結果、異なる珈琲豆であるにもかかわらず、焙煎指数はぴたりと一致した。
【共通ターゲット】
バッチ量: 300g
投入温度: 160℃
中点温度: 100℃を目標
排出温度: 215℃
その他:
・ガス圧の変更タイミングをなるべく揃える
・焙煎機は200℃以上に予熱後に少し冷やして、投入温度まで再加熱
【結果】
<エルサルバドル>
排出時間 10:50 (215.3)
DTR=20
AUC=138
重量減 84.8%
<ペルー>
焙煎時間:11:00 (214.3)
DTR=19.8
AUC=146
重量減(84.5%)
下の写真のとおり、焙煎プロファイルも焙煎指数も同じでも、豆の色は微かにエルサルバドルの方が明るく見える。もしアグトロン値だけで判断するならば、エルサルバドルはミディアムでも、ペルーの方はハイローストと判断されるかもしれない。
さて、これらを一日経った本日、なるべく同じ条件となるように並べて同時に抽出。
<エルサルバドル>
【ドライ時のアロマ】 アーシー、キャラメル
【フレーバー】 チョコレート、スィートオレンジ、アップル、コリアンダー
【マウスフィール】 シルキーで軽やかな酸が口中に長く続く
【オーバーオール】 甘くジューシーで美味しい
<ペルー>
【ドライ時のアロマ】 ロースト・アーモンドやバニラの甘い香りを感じる
【フレーバー】 ヌガー、ダークチョコ、アーシー
【マウスフィール】 重厚な酸、重ためのマウスフィール、渋み
【オーバーオール】 コク、酸味、苦味、渋みなど飲みごたえのある味
両方とも良いバランスの焙煎度合いで、総合的にはかなりレベルが高い味であったが、エルサルバドルの方は少しお湯で薄めると非常に飲みやすく美味しいコーヒーとなった一方で、ペルーの方は時間が経っているせいか微かな枯れ臭を感じる。これはペルーの中でもコロンビアに近いエリアのコーヒーであり、実際、典型的コロンビアのコーヒーと近しい重厚さを感じる味であっ
た。
た。
焙煎教室でもこのレベルの比較がやれたら面白いかもしれない。
コメント