煎り上手+Artisanでの焙煎テスト(丸紅グァテマラ編)

本日はずっと雨で、ログハウスのテラスには屋根があるとはいえ、なんとなく肌寒いので、キッチンで煎り上手テストの続きを行った。使った生豆は、先日、センチュリーフレンドの坂下さんから入手したグァテマラ・ウェウェテナンゴで、丸紅から購入しているとのこと。 リファレンスとして、坂下さんが焙煎した中煎り豆を購入しておいた。ちなみに 600円/100gの豆である。

坂下さんが使うのは自社で取り扱っている韓国製ハイテク焙煎機で、PRO1CEというもの。この焙煎機は水タンクを備えており、ハゼる直前に加熱している珈琲豆に霧吹きのように水をかけることで一瞬温度を下げて、ハゼ(音)を起こさないように焙煎を進めるという特殊な焙煎機である。このように焙煎するとロースト臭が付かないそうである。スターバックスの焙煎士のアイデアを、この韓国の開発メーカーが取り入れたそうで、非常に興味深いモデルである。
PRO1焙煎機

今回は同じグァテマラ生豆を、僕が開発中の焙煎道具、煎り上手+Artisanで焙煎してみた。
最初の2回は、坂下さん焙煎の珈琲豆と同じ焙煎度(ミディアム)で、DTRの比率を変えて焙煎。
次の2回は焙煎度合いを深めて、ハイローストとフルシティ・ローストといったところである。

今回のチャレンジは、セラミック網の導入でどこまで滑らかに焙煎出来るか、である。網は近くのスーパーSANWAで500円ほどで入手したもので、斜めスリットの開いた鉄板+セラミック網+鉄網の3層構造で直火は抜けない。
セラミック網

煎り上手+Artisan焙煎中

キッチンのガスレンジは温度センサーが稼働して勝手に弱火になってしまうため使用を断念。代わりに換気扇の下にカセットコンロを置いて焙煎した。

結論から言うと、セラミック網のお陰でRORの変動は抑えられ、とても安定することが分かった。一方で、直火が当たらないため全体的に火力不足で、早焼きは難しくなる。十分な予熱を行って、失速しないように加熱し続ける必要がある。

まず下記写真が、丸紅のグァテマラ生豆とリファレンスとした坂下氏焙煎の珈琲豆である。コーヒーにしてみると、焙煎が浅い割にとても穏やかな酸味で、苦味はほとんどなくマイルドなフルーティさがとても飲みやすい。生豆はスクリーン選別がない典型的なグァテマラ豆の様子で、大きな豆~極小の豆まで大きさのバラツキがとても大きい。クロップ年の表記はなかったが、丸紅の生豆の回転の良さからみて2021年ものだと思われる。
グァテマラ・モカベアー
<右は坂下氏がPRO1CEで焙煎した中浅煎りのグァテマラ豆。モカベアーというブランドで販売中>

なお、Take-1は予熱温度が低く加熱を失速させてしまい途中で中断。したがってグラフは Take-2から始まる。

Guatemala-Take2


Guatemala-Take3

グァテマラ・Take2,3

この2つは、重量減で判断すれば同じ焙煎度合い、投入カロリーで考えると、230C*minと308C*minなので、理論的にはTake-3の方が焙煎度が深いことになる。明日以降、カッピングで違いを確かめたい。

Take-2:  投入カロリー 230C*min、重量減 (84.4%)  ミディアム・ロースト (DTR=20)
Take-3:  投入カロリー 308C*min、重量減 (84.3%)  ミディアム・ロースト (DTR=25)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

Guatemala-Take4

Guatemala-Take5
グァテマラ・Take4,5

後半の2つは、それぞれ以下のとおりである。

Take-4:  投入カロリー 333C*min、重量減 (83.1%)  ハイロースト
Take-5:  投入カロリー 419C*min、重量減 (80.9%)  フルシティ・ロースト

さすがにこのくらいまで焙煎すると、焙煎直後からとても良い香りがしている。豆面も当然、綺麗になってくる。味わいは同じく明日以降のカッピングで確認するとして、Take-2, 3とは全く別のフレーバーとなっていることは間違いないだろう。

ちなみに、坂下さんは丸紅から購入した生豆はハンドピックはしないと言われていたが、ざっと見渡しただけで、やはり取り除いた方がよい欠点豆が多少含まれている。特に左上の方に見える発酵豆はまずい。1粒でカップ全体をダメにするという、あれである。
丸紅のグアテ
マラ欠点豆

さて、煎り上手+Artisanを使ったテストは明日以降も続く。

コメント