英国製クラフト焙煎機CR600の紹介

直輸入した英国製のクラフト焙煎機 Cormorant CR600を使い始めて3か月ほど経った。昨年の5月に注文して届いたのが今年の2月23日なので9か月以上も待ったわけであるが、待っただけのことはあるクラフト機の名に相応しい質感の高い綺麗な焙煎機である。
CR600全体(カラー)


この焙煎機は小型ながら、およそ焙煎に必要な機能はすべて盛り込まれている。ただし全てマニュアル操作であり、管理ソフトのArtisanの使用が欠かせない。スペックは以下のようになっている。

SPECIFICATIONS – Cormorant Roasters

内蔵の赤外線セラミックバーナーは燃焼効率がとてもよく、火力をガっと上げて短時間で豆温度を上昇させて香りを引き出したり、逆に火力を絞ってBake気味に引き延ばしながら甘味を出したりと、味作りが自由自在。あとは焙煎士の腕次第、といったところである。
CR600_Burner

焙煎中に制御するのは、ガス圧、エアー(熱風)量、ドラム回転速度、そして直火式/半熱風式を切り替えるDiffuserというレバーで、Artisanを使ってプロファイルをモニタリングしながら焙煎する。乗り物に例えるならば小型スポーツカーを操る感覚で焙煎している。ガス圧やエアーの調整が少々ピーキーなところも、焙煎中の心地よい緊張感を呼び起こし、とても楽しい。
CR600_Trier

この焙煎機で焙煎すると、少なくとも僕のやり方で焙煎すると、なぜか珈琲にとても甘味が出るのである。なぜこうなるのかは現在、開発元のCormorant社にも問い合わせたりと究明中だったりするが、甘味を引き出した焙煎が出来る理由として、Diffuserの存在やドラムの蓄熱性の高さが大きいと思われる。火力が強くドラムの蓄熱性が高いと、豆の量が多くてもしっかり芯まで熱を入れることが出来るので、僕は予熱を少し高めにとって、最初の1分半はガスを切って予熱だけで焙煎開始(水抜き)するようにしている。

DIFF_OPENCLOSE

ちなみに社名のCormorantとは英語で鵜のことであるが、この鳥のマークがロゴに使われている。焙煎機の正面のロゴは、パッと見は単なるロゴなのだが、実はロゴ型に抜かれた覗き窓で、焙煎中はここからバーナーの火が目視できる仕組みだ。最初は「この焙煎機は焙煎中の火は見えないのが難点だな」などと勘違いしていたくらい、さり気ないギミックとなっている。

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