難敵マンデリンの煎り上手での焙煎

マンデリンの焙煎は難しいとか、マンデリンが上手く焙煎出来るようになれば一人前、とかいう話はよく聞くが、僕のメイン機、Cormorantで焙煎する限りはさほど難しいと感じたことはない。そこで本日はそのマンデリン(Ache Deep Greenのニュークロップ)を、煎り上手でフルシティまで焙煎するテストを行った。
煎り上手予熱中(マンデリン焙煎)
<いつものようにログハウスのテラスに道具一式を設置>

やってみて気が付いたことは、煎り上手のような焙煎器具だからか、マンデリンは一ハゼの音があまりしない。どこが開始か分からないくらい、パチ、パチ、とまばらに始まり、すぐに止まってしまう。豆の量も少ないため、1ハゼに伴う気化熱によるRoRのドロップも観測しにくい。ただその後しばらくして発熱反応に切り替わると、急に温上が激しくなるため火から少し遠ざける必要が出てくるが、この加減が大変難しい。

1回目の焙煎では前半は良い感じで火が入って、Scott Rao氏推奨のNatural Roastっぽく進行したが、1ハゼ開始後に火から遠ざけ過ぎて、一度温度が下がり始めてしまい、そこからはどんなに火に近づけても、うまく波に乗れず、そのまま失速。15分以上引っ張っても2ハゼが起こせず、ごらんのとおりの失敗焙煎となった。投入カロリーは404C*min でも色合いはせいぜいハイロースト程度。

2回めは、絶対にRoRを負の値にしないぞ、と臨んで、前半は周りからの風が少し強くなったりして、少々乱れ気味であったが、とにもかくにも上手く温度上昇していき、順調に2ハゼに持ち込んで、綺麗なフルシティの焙煎に仕上がった。投入カロリーも 331 C*min と、メイン機で焙煎するときとだいたい同等な数値であることから、恐らく味わいも同じになっていると思われる。

マンデリン焙煎by煎り上手

マンデリン焙煎豆比較

確かに他の生豆に比べて、マンデリン豆の焙煎は少し難しいように感じた。まだまだ修行が足りないのか。

【2022/1/4 追記】
本日、両方のマンデリンを試飲してみたところ、成功焙煎の方はまさにマンデリン・アチェの薫り高いフレーバーが出ており、ほぼベストの焙煎であったのに対して、失敗焙煎とした1回目のものもさほど悪くない。フレーバーこそ劣るものの甘みがあり飲みやすいマイルドな味であった。要するに “Bake”と呼ばれるだらだら焙煎をしたことで、Bake焙煎特有のまったりとした味わいが出た、ということらしい。素材が良い豆なので、結局どう焼いても美味しいのであった。

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