生豆の長期保存に適した環境とされるのは、
①温度が15度前後
②湿度が60%以下に保たれている
③冷暗所
などと言われているが、個人で長期間に渡りこれらを全て実現するのは容易ではない。
保管場所のエアコンを24時間付けっぱなしにするのがストレートな考えだが、無人部屋のエアコンをつけっぱなしにするのは心が痛むし、財布にも優しくない。
正直言って、室内の棚保存であってもZipLockに空気を抜いて保存しだしてからは、数か月単位で保存しても大抵の豆は焙煎後に判別できるほどの劣化はしていないと思うが、一部ナチュラル精製のエチオピア生豆などでは確かにひと夏超すと明らかにフレッシュだった香りが重いものに変質していることがある。
前置きが長くなったが、実は最近、生豆保存庫としてワインセラーを導入してみた。
大きさはワインボトル32本分、80リットルの容量があり、見た目はなかなかスタイリッシュである。動作音は最大42dBとかなり小さく、保温性が高いガラス戸のおかげか、ドアの開閉をしなければ実際にはコンプレッサーは停止している時間が長く、ほとんど無音状態である。
これで少なくとも①と③は満たされるとして、迂闊にも②の問題が残っていた。
まず16度に設定してそのまま一日様子を見ていたら、温度はかなり優秀に制御されている一方で、湿度は予想外に乱高下している。どういうカラクリなのか時折80%以上になってしまう。生豆はZiplockに密封してあるので大丈夫だとは思うが、やはりここまで湿度が上がると少々不安になる。実は購入後に気づいたのであるが、ワインセラーはコルクが乾かないように70%程度に湿度を保つようになっているものが多いそうである。説明書には湿度のことは何も書かれていなかったが、購入したモデルにもやはりこの機能が備わっているようで、温度の差はあるとはいえ、室内湿度よりも高くなったりする。
昨晩、温湿度計を一度リセットしてから一晩おいてみたところ、80%まではいかなかったまでもやはり少々高い。
さて困った、これは本来のワイン保存に使うしかないか、と一瞬諦めかけたが、ふと思いついてドライペットを入れてみることにした。これは一つ100円もしないが、下駄箱などに入れておくと、どんどんと湿気を吸収してくれる。
途中経過ではあるが、観察していると湿度は概ね50-60%に落ち着いており、最大でも64%程度に抑えられており、どうやら目に見えて効果がある。あとは24時間モニター機能がある温湿度計を入れて実際の湿度変化の様子を見ていこうと思う。
注)上が81%となっているのは、温湿度計を取り出して写真を撮ろうとした際に一瞬で結露気味になってしまったためで、ガラス越しに観察していた限りでは46-64%に保たれており、平均すると概ね50%台前半か。
さて、24時間温湿度計をあと2つ発注したので、庫内と室内に設置して数日間は様子をみることにしよう。
ドライペットに極端に水が溜まっていない限り、これはかなり有望な組み合わせだと期待したい!
ドライペットに極端に水が溜まっていない限り、これはかなり有望な組み合わせだと期待したい!
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