以前から疑問に思っていたことがある。僕は新しい豆を入手したら、まず「煎り上手」を使ってごく少量(60g)を浅めに焙煎して豆のポテンシャルを確かめてみるのだが、この時点で果実味がギッシリ感じられて、これは! と思ったとする。そこで、UNION手廻しやGeneCafeで200-300gの分量を同じ焙煎度(水分量減)に仕上げてみると、草っぽかったりキツイ酸味があったり、ちっとも美味しくない、いわゆるUndevelopedな コーヒーになることがあるのである。要するに浅煎りの場合、煎り上手の方が成功率が高い傾向がある。これがなぜなのか、という疑問。
ところで浅煎りと言えば Nordic Roasting Styleという言葉が思い浮かぶが、これは何だろうと思って海外のサイトを少し調べてみた。総じて分かったことは、最初にガっと熱を入れて一気に豆温度を高温にして早めに1ハゼまでもっていき、後半は ROR(温度上昇)を緩やかにして、最終的には1ハゼ開始から1~2分で煎り止めるというものらしい。焙煎度合いはLight-Medium Roast or City Roastと表現されていたが、僕の理解では City Roastはもっとずっと深めだと思う。
先日入手したブルンジのウォッシュト豆を煎り上手で 浅煎り(1ハゼから1分33秒、トータル8分8秒、重量減84.3%)にしたら予想以上にフルーツ感が素晴らしく大変美味しかったので、さて残りをどうしようかと思って、この Nordic Roastのことを思い出し、GeneCafeをきっちり200度x6分で予熱してから、236gのブルンジ豆を投入して、240度の設定でなるべく短時間で焙煎してみた。1ハゼから1分30秒で止めたら、トータルが11分26秒で重量減が84.8%であった。熱量不足で煎り上手ほどには短時間で焙煎できないが、珈琲に抽出してみるとほぼ同じフレーバーでこちらも大変美味しい。まずは満足の出来栄えであった。以前のように予熱せずに開始して同じ1分半で止めたならば、見た目は同じでもきっと青臭い味になったものと思われる。
ということで結果的にGeneCafeでも Nordic Roasting Styleっぽい焙煎は可能だな、と思った次第。
ちなみに、本場ノルウェーでは 当然Nordic Roastが大半で、深煎りが飲めるのは Starbucksくらいらしい。また、ナチュラル精製の豆はあまり使わない、という情報もあったが、確かにFruits bomb, Berry bomb といった彼らが求めるフレーバーはナチュラルの発酵フレーバーとバッティングするので、ウォッシュト精製でなければならないのであろう。
他にも、重量減の少ない浅煎りの方が儲けが大きい、浅煎りではエスプレッソ用のバスケットサイズが大きいのでこの点でも儲かる。だから北欧のロースターは浅煎りを流行らせた、といった穿った記事も見つけたが、ちょっと納得してしまった。サードウェーブ系でよく見る浅煎りエスプレッソでは一杯に20gも使うが、元祖イタリアン・エスプレッソはカップは小さめとはいえ8g程度、う~む、ノルウェー人頭いい!
そうそう、今度、東京のフグレンコーヒーに確かめに行ってみよっと。
<GeneCafeで焙煎したブルンジ> 1ハゼ開始から1分30秒
豆はブルンジ・カフェルージュ・ブルボン
(珈琲問屋の焙煎メンバーなので30%OFF、約200円/100g で購入)
ちなみに、ここに載っているラオス・ボラベンも以前買ってみたことがあるが、こちらは欠点豆、特に浮豆のオンパレードでしかも僕には発酵臭が強烈過ぎて持て余してしまった。
コメント
>>3
それは恐らく設定温度に到達したことをお知らせするブザーだと思います。
豆を入れている状態では実際のところ、なかなか設定温度に到達しないためブザー音が鳴らないことも多いですが、豆なしで行う予熱の場合、200度とか設定して行うと、だいたい4分ほどでその温度に到達していつもブザーが鳴ります。
ご丁寧にありがとうございます!!
過去の”GeneCafeの使いこなし”でも誤記載されてましたね。
参考にさせて頂きます!
別の質問なのですが、
いつもは18分で焙煎停止するのですが
19分程度まで焙煎したところピーピーと音が鳴りました。
説明書が手元になく確認ができないのですが、19分程度経つと自動で音が鳴るのでしょうかね??
>>1
きよさん、コメントありがとうございます。
今のところ予熱で問題が発生したことはありません。
海外ユーザが予熱している人が多いのを見て大丈夫だと思いました。逆に強制停止ボタンで停止して豆を取り出した後は、再び電源を入れて、開始→通常停止を行ってGeneCafeの冷却モードを直ぐ走らせることで、ヒーターの負荷を下げるようにしています。
予熱するようになったきっかけは、ブラジルだけど水洗式で処理されたイルマスペレイラ農園の生豆(2年以上経過したちょっとオールドクロップ気味)をGeneCafeで予熱なしで焙煎すると、豆が乾燥したようになってしまい25%くらい駄目になってしまう現象が出たからです。また、予熱しないと延々と回しても1ハゼが来ないことも多く、いわゆる Bakeの状態(長時間、温度不足焙煎)になり易い、ということもありました。
予熱は200度x4~5分を基本に、多少調整しております。
いやー同じgenecafeユーザーとしてとても楽しく拝見してます。
確かにgenecafeで焙煎するとスカスカ感がありますよね…
余熱をされてるとのことですが機器の具合は問題ないのでしょうか?