欠点豆100%の生豆を焙煎したらどうなるのか?
~ どれだけムラムラに焼けて、それだけ雑味だらけの酷い味になるのか?
特に個人で焙煎されている方なら一度は欠点豆の廃棄前に、それを焙煎してみたい好奇心に駆られたことがあるのではないだろうか。
ということで取り合えずやってみました (^^;
今回のMixは比較的欠点豆を多く含むパプアニューギニア・天空の森とペルー サンチュアリオ (有機JAS栽培)から出た欠点豆を集めたものである。欠点豆の種類としては虫食い、カビ、過発酵豆、未成熟豆、変形や欠け豆などである。
そして少量集めたこれらのサンプルを焙煎するのに役立つのはいつものロガー対応「煎り上手」である。
道具立てはこんな感じ。
焙煎は2回行い、両方とも欠点豆がより際立つと思われるハイローストとした。
さて結果はご覧のとおりである。
サンプル1
じっと見るとかなりゾッとする様子の生豆である。これは絶対飲みたくない!
焙煎プロファイルはこんな感じ。
焙煎後の様子はこんな感じ。
サンプル2
同じく70gでの焙煎である。
いろんなアングルと光加減でもう少しお見せする。
うう、これも絶対に飲みたくない!!
Take2の焙煎プロファイルはこんな感じ。
Take1, Take2とも普通に1ハゼが来て、2ハゼが来た直後に煎り止めしている。
焙煎後の豆はこんな感じ。
いかがであろうか。
生豆の状態を見たら誰でも、これは絶対飲みたくない、と思うだろうが、焙煎すると思ったよりも均質な色合いとなり、パット見には元の酷さが分からないように思う。
スーパーなどで売られている量産焙煎豆には見た目がこれと同様か、もっと酷い見た目のものがあるように思う。
さて、元の生豆の酷さを知っているだけに、今回の焙煎豆を飲んでみるのは勇気がいるが、近日中に一応カッピングしてみようと思う。
そういえば昔、ブラックライトで良く光る過発酵気味の豆だけを集めて焙煎したことがあるが、結果は微かに雑味が多い程度で想像していたよりずっと飲める味で、むしろ味が濃いために豆の量を減らして淹れると逆に美味しく感じたものであった。
こう考えていくと、どこまでを欠点豆として取り除くかべきか、なかなか悩ましくなる。
見た目が美しく大きさも揃っている生豆だけを Positive Pickingして焙煎するのが、フレーバー的には理想的だろうが、これではあまりにも無駄が多い。焙煎後に欠け豆だらけなど、見た目が悪いのは論外として、絶対的に取り除くべきは Coffee Berry Borerの開けた穴に緑色のカビが広がるものと考えている。なんとなれば、カビトキシンの毒は熱でも壊れないといわれているからである。
パプア天空の森などは、かなり発酵感のある豆だが、僕は極端な発酵豆以外はあまり取り除かずに焙煎したものを横浜のカフェ(KOPE花伝カフェ)には出しているが、実はこれが大変好評だったりするから不思議である。
後日談
一応、勇気を出して欠点豆100%コーヒーを抽出したものをカッピングしてみた。もちろん飲み込む勇気はさすがに出ないので、口に含んでは吐き出す、ということを数回やってみたわけであるが、もうこれは、、絶対飲めないタイプの強烈な雑味を感じた。自販機のコーヒーの中でも最もまずいタイプ、という感じか。
やはり欠点豆を取り除くことは大事だと改めて思った次第。
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