僕が珈琲の仕事を始めるに当たって取得したい資格が3つがある。
①コーヒーマイスター (SCAJ)
②コーヒーインストラクター(JCQA/全日本コーヒー検定委員会)
③アラビカQグレーダー (CQI/SCAA)
①はコロナでスタートが遅れていたが、先日やっと再開したので8月から始まる「第32期コーヒーマイスター養成講座」に申し込んだ。③は米国から講師を呼ぶ関係上、再開の目途は立ってないとのことであるが、まぁこれは難易度も相当に高いはずで数年かけて取得したいと考えている。一方、②については同じくコロナで申し込みが延期されていたが、本日、セラード珈琲にて3級を受講した。当初2級から始めれば十分だと考えていたが、講師のたぐち珈琲豆店の田口さんの講義は想像していたよりもずっと内容が濃く、参加して本当によかったと思った。先ほど、2級の講座/試験も申し込んだが、こちらも年内になんとしても取得したいと思う。
ところで、お話がとても上手な田口講師のお話の中でも特に印象に残ったことを何点か挙げてみたい。
(実際の講義では、もっともっと色んな話が聞けるので、少々ネタバレをお許し下さい)
・知識のある人の店にはマニアが集まる
・9割がまずいという豆も1割の人は美味しいと感じることがある。焙煎を目指す者は万人に受ける味を追い求めてはいけない。
・コーヒーは花が咲いて10か月で実の収穫に至るが、これは人間の赤ちゃん(十月十日)とほぼ同じ期間
・苗を植えて収穫まで3年かかるので、ハリケーンなどでダメージを受けた地域は3年は復活しない。
・コーヒーノキが一本で一年に収穫できるのは、スペシャリティコーヒーなら4杯ほど
・ピーベリーは枝の先端に成るという俗説があるが、実際には謎であり、そもそも枝の先端には実が付かない。グルグル回ってピーベリーになるという説もある?
・コーヒーは意外と涼しい場所で育つので赤道直下は暑過ぎる。インドネシアなどの赤道直下では年に2回収穫できるが、実際には別の畑で計画的にやっている。今後は産地がミャンマーやラオスに移動するとして中国や日本が先行投資。特に様々な精製方法を試しているミャンマーには注目!
等々。実に面白かった!
3級の講義のあとは、飛び入りでMETAD社のエチオピア豆のカッピングにも参加したが、こちらがまた面白かった。METAD社の浅野さんという方が講師で、エチオピアに移住して6年、ついにはエチオピア人の奥さんまで得ようとしているとか。素晴らしい! そしてエチオピアのコーヒーは奥が深い。今回は7種類の豆のカッピングであったが全て同じ栽培品種(番号だけで識別するEthiopea Heirloom)。というかMETAD社が配給した全く同じ苗とのことだが、3つの産地(グジ2か所、イルガチェフェ)で、かつ精製が Washed/Sun Driedでアロマもフレーバーも全く異なり驚かされた。
カッピングは通常方式ではなくコロナ対応版で、豆毎に備え付けのカッピングスプーンですくっては、いちいち使い捨ての小さなカップに移してカッピングする、という方式であった。これなら確かに安全性が高い。それにしてもGotiti (イルガチェフェ)のSun Driedの美味しさには感動した。ナチュラル精製に有りがちなくどさは全くなく、ひたすら甘くトロピカルなフルーツ感が心地よい味。なんとか生豆を入手したいと思った。
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