Scott RaoのCoffee Roaster’s Companionの40ページに以下の記述がある。
曰く、どんな焙煎機であっても、バッチ量が少なければ短時間で目的の焙煎度にすることが出来る、ということである。火力的にはそのとおりであろうが、さてフレーバーは同じになるのか。
そこで、煎り上手のように70gと小さいバッチの場合にこれを当てはめるとどうなるのかを検証してみた。テストに使った焙煎豆はいつもの水洗式ブルンジのニュークロップである。この豆は火が入りにくいが、浅煎りから深煎りまで様々な顔を見せて、それぞれの焙煎度で美味しさがある。
今回はリファレンスとして、5日前に焙煎したDTR20%のシナモンローストの豆を使うことにした。
仮にこれを Take0と呼ぶ。このときは僕のメイン機(最大バッチ600g)で焼くときと同じ程度、13分ほどかけて焙煎したが、今回は同じ焙煎度を8分に縮めることにした。比率にして1.65倍の早焼きである。Take1,2が約8分、Take3は再び13分で焙煎したが、結果を表にしたものが下記である。
結論から書くと、この豆を8分で浅煎りにするのは無理があった。酸味の質が悪くキツイ味で、特に冷めてくるとちょっと飲めないレベルであった。一方で13分で焙煎したシナモンローストは、ウットリするほど美味しい酸味が出ており、この差は非常に大きい。ちなみにTake3は焙煎直後であるが、既に美味しく飲めるものであった。
今回は焙煎指数的を揃えることにフォーカスしたのと、外焙煎で風が強かったことで、焙煎プロファイルは少し乱れたが、焙煎指数を見ると、シナモンローストレベルにきっちりと揃った。
ちなみに、焙煎の3つのフェーズの比率を保ちながら、トータル時間を13分から8分に短縮するために、あらかじめ下記のようなプロファイル目標を作って、それを見ながら焙煎した。
13分のプロファイルを並べたのが下記である。(Take0, Take3)
そしてこちらが8分で焼いたときのもの (Take1, Take2)
トータル時間以外は、排出温度、焙煎時間、焙煎指数などがよく一致している Take3にTake2を重ねたものが下記である。
味の比較は、同一条件の元、同時にペーパードリップ抽出(CBR=15)することで確認した。
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