煎り上手での Identical Roast

安価な簡易焙煎機や焙煎道具でたぶん一番難しいことは同じ焙煎の再現である。
例えば手網でも上手くやればプロが本格的焙煎機を使って焙煎したものと遜色のない仕上がりになることもあるが、それを毎回再現せよ、と言われると困ってしまう。

では、僕が今、テーマとして追及している、煎り上手+Artisanロガーではどうか、ということで早速やってみた。

今回は使った珈琲豆は、スペシャルティではなく、コモディティ豆のコロンビアである。なぜこの豆かというと、単にSANDBOX焙煎機を購入したときの付録豆が放置されていたからである。
コロンビア・ナリーニョ

煎り上手での焙煎はいつものようにログハウスのベランダで行ったが、今日もかなり風が強く、炎が揺らぐのと、煎り上手を火から外した途端に風で急速に冷えるため、RoRの青いラインはかなり乱れてしまった。

しかし兎にも角にも、1回目のハイロースト焙煎の曲線を、2回目はなるべくなぞる様に焙煎してみた。
グラフで見ると下記のようになり、そもそも中点までの時間が1分近く開いてしまったため、DE(ドライエンド)までのラインは全く一致していない。しかし徐々に同じラインに乗せて、最終的にはかなり近い数値に揃えることが出来た。

煎り上手でIdentical_Roast_Challenge
<下のグラフは2つを重ねたもの>

数値は以下のとおり。

煎り上手でのIdenticalRoast(数値比較)

どうであろうか。
歩留まりから見ても、たぶんほぼ完ぺきなIdentical Roastと言えるだろう。

さて、次はこの豆を抽出で確かめたわけであるが、見た目はなぜだかTake2の方が微かに赤味がかって見え、こちらの方が美味しそうに感じた。粉にしてみるとさらに微妙であるが、やはり少し色が違うようにも見える。Take2の粉の方が少し明るい。Take1は最初の温度上昇に、もたついてしまったのが悪影響したのかもしれない。
煎り上手でのIdenticalRoast(コロンビア)

抽出方法はなるべく公平にするため、クレバードリッパーを使って浸漬式とした。
煎り上手でのIdenticalRoast(抽出)

CBR=15、湯温=90℃、浸漬時間2分として、熱いときと冷めたときを確認してみたところ、熱いときはTake2の方が少し酸味が立って美味しく感じTake1はフラットな味がした。しかし冷めてくるとその差はもう感じなくなり、正直、違いは全く分からなくなってしまった。

つまり、煎り上手でIdentical Roastを行う実験としては成功 したと言える。

追記:
久し振りに焙煎したコモディティ豆は、ちゃんと焙煎したにも拘わらず、全般にコンビニ・コーヒーのようなノペっとした味がした。もう何か月もSpecialty級以上のコーヒーしか飲んでいなかったので、後口の悪さが逆に新鮮であった (^^)

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