煎り上手テスト – Artisan ロガーなし vs 有り 比較

ブルンジ焙煎by煎り上手(粉)横

今日は僕のクラウドファンディングの中で使いたい動画を、パートナーのT氏に撮って頂いたが、それは 煎り上手だけで焙煎する場合と、ロガーを繋げて焙煎する場合の比較テストでもあった。使った生豆はブルンジ水洗式のニュークロップで、密度が高く火が入りにくい豆である。この手の豆は焙煎初心者には少々手強い。合計4回焙煎をして、最初の3回はArtisanなし、4回目だけいつものようにArtisanを繋げて焙煎した。Take-1、Take-2は1ハゼ開始から2分程度の中煎りを目指して焼いた。しかし温度計がないとつい火に近づけ過ぎてしまう。

Take-1:説明書どおり予熱なしで焙煎。5分いかずにバチバチ爆ぜだしたので7分弱で排出
Take-2:Take-1よりは時間をかけた。しかし結果は逆に少し浅くなってしまった
Take-3:2ハゼまで焼く意思を持って10分以上かけて焙煎。2ハゼ開始から10秒で排出
Take-4:Artisan画面を見ながらミディアムローストに焙煎 (プロファイル参照)

焙煎直後ではあるが、早速カッピングで味を確認。

結果は予想以上に歴然とした差が出て、大変興味深いものであった。つまり焙煎豆の見た目は大差ないのに、コーヒーにしてみると圧倒的に Take-4だけが美味しく、その他は明らかに美味しくない。Take-2に至っては芯残りが酷く、廃棄するしかないレベルであった。深く煎ったTake-3は苦みを強調した誤魔化しの味。ミルクを入れればそれなりに美味しいかもしれないが、ブルンジの良さは消失している。

まず焙煎豆の様子を全体からみたのが下記の写真。この様子だけを見て、Take-1, Take-2が明らかな失敗焙煎と見破ることは困難である。
ブルンジ焙煎by煎り上手

カッピングのために、7gずつ計量して並べたのが下の写真。この時点では、Take-1,4の豆面、色は類似しており、同程度の焙煎度に見える。Take-2はこの時点で既に浅い。
ブルンジ焙煎by煎り上手(豆)

粉に挽くとこんな感じ。Take-1は豆のときより色が薄い。つまり、豆の外側の焙煎進行に比べて、豆の内部の進行が遅れていたことがこの時点で既に分かる。
ブルンジ焙煎by煎り上手(粉)

水色はこんな感じ。ブラインド・カッピングとして、お湯をかける前に位置をシャッフルしているため、明らかに水色が濃い左上のTake-3 以外は、どれが何番かここでは分からない。
ブルンジ焙煎by煎り上手(ブレイク前)

カッピングするまでもなく、ブレークの香りだけで Take-2の芯残りは分かってしまうレベル。一方、Take-1, Take-4は香りだけでは区別がつかない。この2つを並べてみると水色も似ており、やはり区別がつかない
ブルンジ焙煎by煎り上手(水色-1,4)

しかし! カッピングしてみると、もう明白に Take-4だけが本来のブルンジの美味しさ、心地よいオレンジ系の甘い柑橘フレーバーが出ており、一見よく似ている Take-1はシャープな酸味ばかりが目立ち、甘みが全く感じられない。 煎り上手だけで焙煎するのは長くやっていなかったが、正直、ここまではっきりと差が出るとは思っていなかった。ちなみにTake-4の焙煎プロファイルはこんな感じ。Artisan付き煎り上手があれば、これと同じ味になるように焙煎することも容易である。
ブルンジ焙煎by煎り上手(Take4プロファイル)

追記: 2022/01/27
本日、上記の Take-1, 4 だけ、V60で普通に抽出した場合の比較も行った。
なるべく同じ抽出になるように、2つ並べて同量の豆を粉に挽いたものをドリッパーにセットし、同じポットから同時抽出を行った。結果は以下のとおり。
ブルンジ焙煎by煎り上手(抽出比較)

Take-1:
アロマ:粉の状態ではキャラメルのような果実感も感じられ心地よい香り
フレーバー:
– 熱いとき:酸味が多少きつめだが悪くない味。3rd wave風の浅煎りの味
– 冷めとき:酸味が尖ってきて甘みが少なくなる。

Take-4: (with Artisanロガー)
アロマ:とてもバランスの良い気持ち良い香り。Take-1より深く複雑な香り
フレーバー:
– 熱いとき:酸味・苦み・コクのバランスが程よく、とても美味しい。
– 冷めたとき:完全に冷めきって飲んでも、全く尖った部分がなく、円やかで美味しい。

結論として、カッピングのときよりは優劣の差は少なく、Take-1の焙煎も悪くないという結果であった。しかしいずれにせよ、Take-2のように完全に失敗することもあり、狙った味を安定的に再現する、という意味ではロガー付きが圧倒的によい。ロガーで確認して、慣れてくれば、温度計が付いているだけでも、かなり狙いどおりに焙煎出来るようになると思われる。

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