前から一度やってみようと思っていたポジティブ・ピッキングをやってみた。通常は全体から欠点豆を取り除くが、その逆、つまり焙煎した豆を一旦すべてBadとみなして、そこから姿かたちが綺麗なものだけを選別するという方法である。テストに使った豆はガテマラ・ステイゴールドで、この豆はそれほど値が張らないのにいつも美味しく、そのコスパの高さに5Kgずつリピート購入して今までに25kg近く焼いてきた。
焙煎前/後には当然ながらいつもどおりに念入りなハンド・ソーティングがしてあり、大きな欠点豆は含まれていないはずである。ここからそのまま取り出した12g、ポジティブピッキングで取り出した12gの2つを用意して、コーノ式ペーパーフィルタで全く同じように抽出した。
お湯は90度、蒸らしが40ccで45秒、次に60ccを注いで1分30秒待ち、最後に70ccを足して2分30秒でドリッパーを外した。
さて、見た目もさほど違いもないし、味の差はちょっと分からないだろうな、と思いつつ両方を珈琲液にしてカッピングしてみると、なんと全然クォリティが違うのでびっくり!
通常のソーティングの珈琲も悪くはないのだが、よく味わうと少し雑味を感じる。さらに時間をおいて冷めてくると雑味が少し増す感じ。 一方、ポジティブ・ピッキングの方は全く雑味が感じられず、ひたすら美味しい。あまりの美味しさに途中からカッピングを止めて普通に飲み干してしまった。(^^;
どうやら普通にソーティングしただけでは、やはり良豆と欠点豆の間にグレーゾーン豆が残っており、これが雑味を出すらしい。つまり同じ珈琲生豆で開始したとしても、焙煎後に良豆だけを選って珈琲を淹れることで極上の一杯が作れる、ということか。 商業的にはちょっと成り立たないと思うが、個人で楽しむなら、たまにはここまで手をかけてみるのも面白い。
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