コーヒー業界にいるならご存じの方も多いと思うが、コーヒー関連の様々なトピックを、先鋭的な視点とオシャレな写真とイラストでまとめた記事が満載のSTANDARTという季刊誌がある。書店では売っておらず定期購読するしかないため、一般人の目に触れることは少ないかもしれない。ちなみにスタンダードではなく、スタンダートである。
https://www.standartmag.jp/
ウェブサイトの説明によると、「2017、2018、2019年と3年連続でベスト・コーヒー・マガジン賞を受賞」とあり、 珈琲に今後の人生を預けた身としては、当然購読するしかない。会社にいた頃は日経新聞に電子版を含めて毎月6000円近くを支払い続けてきたが、退職して電車通勤がなくなると、電子版も見出し以外はほとんど読んでいないことに気が付き、実は数か月前に日経新聞は止めて、その代わりにStandartの購読を開始した。
季刊雑誌だけあり、一冊一冊には相当量の記事、活字が詰め込まれているが、オブジェ風に撮った写真や アートな挿絵など一見しただけでセンスの高さが見られる。コーヒー好きでなくても惹かれる体裁なのである。記事はとにかく他では見られないような、かつネット検索では見つけられないような内容のものが多く、とても知的に刺激される。
前回の15号に付属してきた珈琲豆(36g)は、いわゆるコスタリカ産のAnaerobic(嫌気性)発酵の珈琲豆であったが、この世界を知らない人がブラインドで飲んだら、大半の人はコーヒーと思わないであろう濃厚なぶどうジュースや貴腐ワインのような味であった。写真のとおり完全なライトローストであったがほとんど酸味は感じなかったように思う。
一方、先日届いた今期号の付録豆は、メルボルンのロースタリーが焼いた超浅煎りのルワンダ産豆であった。届いたとき、既に焙煎日から一か月ほど経っていたが、挽いた時の香りはさすがにかなり華やかで期待させるものがあったが、ペーパードリップでいつもの濃度で淹れてみたところ、若干、酸味がシャープ過ぎて、僕にはちょっと合わないと思った。カップ・プロフィールのスィートタバコ、というのも日本人にはちょっと想像しがたいものがある。ただ、こういった世界のトップクラスのサンプル豆が添付されてくることは、この雑誌を定期購読するモチベーションになっていることも事実である。
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