相変わらずいろいろとサンプル豆を取り寄せたり色々な種類のコーヒー豆を焙煎する中で、僕がかなり神経質に取り除くようにしているのはカビ豆である。
カビも高温で焼けば害はない、という説を唱えておられる方もいますが、やはり気になってしまう。
例えば本日焼いた、タイのサイアム・ブルームーンという豆。見た感じではとても綺麗で、欠点豆もさほど多くはないように見える。
一見して、形が悪い、色がおかしいなどで取り除いた欠点豆は下記のような感じ。
では、こちらはどうであろうか。
よくみると青カビが透けているものもあるが、よく観察しなければなかなか見破れない。
実はブラックライトでも光らないものが結構多い。
さて、これらの豆を割ってみると、こんな様子である。
これらが混じっていると思うと、僕はそのコーヒーを飲みたいとは思わない。
さて、しっかりと取り除いた後は、浅煎り気味にテスト焙煎してみる。
なかなかしっかりとしたハゼ音で豆の素性はよいようである。
焙煎したてを早速、ペーパーで抽出してみると、粉の状態では微かにキュウリの香りがしたが、飲んでみるとなかなか素晴らしい酸を呈していて、甘みも十分。要するにかなりジューシーな甘酸っぱさを楽しめるものであった。
こういうしっかりと手をかけた処理を行ってこそ、安心してコーヒーが楽しめると思う次第である。
何十キロという単位の商業焙煎では恐らく、カビも何もかも一緒に高温で焼いて見えなくしてしまう、ケースが大半だと思われる。
さて一度この状態を見てしまった後、皆さんはそのコーヒーを飲みたいと思いますか?
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