ということで!
同じ道を目指す方に多少なりともお役に立てればという気持ちでこの記事を書きます。
個別質問も歓迎です。
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<全般の話>
教科書(4000円)自体は2級受験で入手しているはずなので、さほど厚くない一冊の中に2級・1級・鑑定士までの内容を含むことはご存じであろう。この教科書、初めて手にするとまず、これだけ? 簡単そう!と思うだろう。コーヒーマイスターの試験範囲の広さに比べて、まさに狭く深く、の世界である。1級の範囲は2級の2倍ほどの分量で約45ページであるが、当然2級も試験範囲に含まれるので実際の試験範囲は3倍で、各項目の理解の深さは2-3倍を求められるので、単純計算すると勉強量は2級の6-9倍である。2級はマークシートのみで、うろ覚えでも回答可能であるが、1級の問題は半数以上が記述式なので文章力も求められる。僕は記述に使いそうな用語の漢字をリストアップして直前に復習したりもした。(誤字は不正解となるらしい)
2級試験にも一応カッピングはあるが、こちらは確か1問だけでアラビカとロブスタ、みたいな一度飲めば誰でも判別可能なものであるが、1級は産地別、格付け別、欠点豆混入、それに生豆外見判別、そして混ざった2種類の豆の配合比率を当てる、といった問題が出る。ロブの見分けは簡単でも、ブラジル、グアテマラ・コロンビアを見分けるのは至難の業である。さすがにグアテマラ・コロンビアのMIXは出ないと思われるが、今回はブラジル・コロンビア(グアテマラかも?)の配合分析が出て、2:2, 1:3, 3:1のどれかを当てるというものが出て、試験後には結構自信があったのだが結局落としてしまった。ブラジルの配分量が明らかに少ないと思ったのであるが、もしかするとコロンビアとグアテマラの判別を間違えたのかもしれない。
<事前講習会>
この講習は必修とされるが、そもそもこれを受けずに実技試験に合格するのは相当困難であろう。
(1) 学科講習
・3人の講師が教科書を元に重要箇所をどんどんと説明していくが、盛り沢山な内容を早口で説明する講師もおり、集中して速記のようなメモを取らざるを得ない。このためにも、やはり事前に自分で教科書の内容を何度も読み返しておく必要がある。
・講義の中でも講師が強調するが、重要なことは、文字通り暗記するのではなく、なぜその方法なのか、などの理由が説明できるようにすることである。唯一、講師に直接質問が出来る機会なので、出来れば事前に質問を用意して臨みたい。
(2) 実技講習
・実技講習は想像以上に楽しく、これなしでは絶対に合格はできないと思われる。同じコロンビア・グアテマラといった国の豆でも、産地や焙煎方法で大きく味が異なるわけであるが、試験用はいわばその国の「標準米」のような検体を使っており、典型的な品質(欠点豆混入)、産地(恐らくミックス)、精製方法の豆を、ハンドピックせずに中煎りに仕上げてある。例えば同じブラジルでも、Type2, Type4/5という豆を見分けなければならない。繰り返しになるが、焙煎前の「欠点豆のハンドピックはしていない」のである。⇒ ★これがヒントになることも★
・大半の人にとっての産地別カッピングの最難関は、グアテマラHBとコロンビアUGQの区別だと思う。実に似ているのである。僕の考えた見分け方は以下のとおり。
– ブレイクから3-5分の冷めたところで飲むと、コロンビアは気持ち酸味が強く、かつ酢酸のような単純な酸を感じるのに対して、グアテマラは微かに甘味があったり、後味に柑橘系の酸味を感じる瞬間がある。ただし5分以上経過すると、むしろグアテマラHBの方が酸味がきつく感じるようになり大変混乱する。よって、ガテ・コロ判断はブレイクからの最初の5分で行って、その後は迷わない(カッピングしない)ことをお勧めする。
– 焙煎豆自体はグアテマラの方が硬く締っており、粉にした時の色は微かに明るい。お湯を注ぐ前の粉の色や香りを集中して観察するとグアテマラの見当がつく可能性がある。自分でカッピング練習していたときは、水色(すいしょく)が他の検体に比べてオレンジがかって見える時があった。あとは練習あるのみ。
合格のためには直前の集中カッピング練習は必須!特に産地別カッピングを落とさないように、かなりみっちりやる必要がある。
検体のグアテマラHB, コロンビアUGQの区別はかなり困難であるが、出題率はかなり高いし、落とせない問題なので、僕はガテx3、コロx3の6検体を用意してカッピングで全部正解する練習まで行った。欠点豆混入の検出に関して言えば、ブラジルType2とブラジル欠点豆混入は、少し低地産特有の甘みが感じられるType.4/5との区別より難しい。恐らく Type2の豆に未成熟豆を後からパラパラと混入させているものと思われる。
合格のためには直前の集中カッピング練習は必須!特に産地別カッピングを落とさないように、かなりみっちりやる必要がある。
検体のグアテマラHB, コロンビアUGQの区別はかなり困難であるが、出題率はかなり高いし、落とせない問題なので、僕はガテx3、コロx3の6検体を用意してカッピングで全部正解する練習まで行った。欠点豆混入の検出に関して言えば、ブラジルType2とブラジル欠点豆混入は、少し低地産特有の甘みが感じられるType.4/5との区別より難しい。恐らく Type2の豆に未成熟豆を後からパラパラと混入させているものと思われる。
<試験本番>
(3) 学科試験
僕は窓際の席だったのでときおり外の景色を楽しんでいた。
京阪神会場(灘)のビルから望む景色は天気が良いと、六甲山系の山々を遠くに仰ぎ、なかなか気持ちが良い。
僕は窓際の席だったのでときおり外の景色を楽しんでいた。
京阪神会場(灘)のビルから望む景色は天気が良いと、六甲山系の山々を遠くに仰ぎ、なかなか気持ちが良い。
試験の方は、筆記量が多く、丁寧に書いていると後半に時間が足りなくなって焦ることになるので、最初から頭をフル回転させてどんどん記述していくこと。僕は残り15分で思ったより記述問題が残っていることに気付き、最後は本当に夢中で記述回答していってギリギリで全問回答したが、前半の後で見直そうとしていた問題に戻る時間がなく、実際その問題を落としていたことに試験直後の確認で気付いてしまった。例えば、「安定したコーヒーの淹れ方について3つアドバイスをせよ」という問題では、条件に「同じ店から粉で買って」とか、「注ぎ方のルール以外に」とあり、注ぎ方のルールって、どこまで含むのよ、ととても悩ましい。このような設問自体に理解を要する問題が多々見られる。
出題されていた問題(記憶にあるもの)
– シェードツリーの役割
– ドリップで2倍量を淹れたときの濃さ
– プレミックスのメリット・デメリット
– ブレンドの定義 (生豆換算で30%以上~)
– 精選方式の説明(パルプドナチュラル、スマトラ)
– 5種類の選別の順番
– 粗選別で取り除くもの
– コーヒー飲料の定義
– エチオピア、ブラジルの中の産地の位置
– スクリーン選別のいで標高を使わない理由
– 欠点豆のみ、SHG等の格付けを使う国
– 特定銘柄
– 香気物質の前駆体3つ
– 包装方法のポイント3つ
– 比重の低い豆、商品価値の低い豆の定義
– 伝熱の種類3つ
– 種子以外の繁殖方法
– ドリップの味を安定させるためのアドバイス(最後の問題で難問だった)
– ベリーボーラー、さび病の説明
– ドリップで2倍量を淹れたときの濃さ
– プレミックスのメリット・デメリット
– ブレンドの定義 (生豆換算で30%以上~)
– 精選方式の説明(パルプドナチュラル、スマトラ)
– 5種類の選別の順番
– 粗選別で取り除くもの
– コーヒー飲料の定義
– エチオピア、ブラジルの中の産地の位置
– スクリーン選別のいで標高を使わない理由
– 欠点豆のみ、SHG等の格付けを使う国
– 特定銘柄
– 香気物質の前駆体3つ
– 包装方法のポイント3つ
– 比重の低い豆、商品価値の低い豆の定義
– 伝熱の種類3つ
– 種子以外の繁殖方法
– ドリップの味を安定させるためのアドバイス(最後の問題で難問だった)
– ベリーボーラー、さび病の説明
(4) 実技試験
・問題毎に検体を準備するので、全般にゆったりしており、各問題の時間もたっぷりあるので慌てる場面はない。ただし、冷めすぎると分かりにくくなるものもあり、時間は15分などと与えられても、最初の5分で判別を終えたい。特にロブスタが出たときは要注意。匂いだけでも判別できるので、少量を1回だけカッピングして、AP-1かWIBかを確認する程度で充分である。いつまでも雑味の多いコーヒーをカッピングしていたら舌が麻痺して次の検体の判別が難しくなる。
・今回の出題は同一産地の格付け違いを判別する問題が2問。ロブスタ2種とブラジル2種だったかな。産地別は、最難関のガテ・コロ判別が出題されたが、粉の時からよく観察して、微かな柑橘フレーバーを感じたので自信を持って判別。もちろん正解だった。この問題を落とすと合格は厳しくなる。
・欠点豆はリオ臭が出た。これは講習会で経験しており、お湯をかけた瞬間の匂いでカッピングせずとも判別できる。漂白剤の匂いがすればリオ臭である。
・焙煎豆の外見だけで8種類の豆を当てる問題。選択肢はブラジル Type2, Type4/5, コロンビアUGQ, スプレモ、エチオピア、グアテマラHB, インドネシアロブスタ AP-1, WIBの8種類であった。まずロブスタ2つは匂いと形で容易に判別。クェーカー(薄い色の豆)が多い方が低い格付けのAP-1, 整っている方がWIB。ブラジル2種はまず形とセンターカットの色で判別して、小さい豆が多く色むらの多い方がType4/5とする。グアテマラは色が微かに薄く一番硬そうに見える。スクリーン選別がないので豆の大きさが不揃い。エチオピアは香りとセンターカットの茶色で判断。検体のものは豆の大小の差や欠点豆も多い。残りはコロンビアの2種だが、8種類の中で一番、大粒でハンサムなのがスプレモ、他方がUGQ。センターカットがS字にカーブしているものが混じっているとは限らないので、UGQとグアテマラHGとの判別は要注意である。コロンビアがコロっとしており、かつピーベリーの混入が多いのに対して、グアテマラは平たいイメージで皺が多く硬そうに見える。集中して観察すればそう見える。自分の直感を信じよう!
・配合分析は試験時間が一番長いが、まじめにやると意外と試験時間一杯かかる。1問めはロブスタとアラビカの区別で比較的容易。2問目はアラビカ同士であるが、こちらはかなり困難で、実際僕もこの問題は落としてしまった。ご参考までに比較的紛らわしい検体の一部を写真に掲載する。
付録:カッピングのコツ(KazuhiCoffee版)
・持参の水は多めに持ち込み、試験中には使わせてくれなくても中間の休憩時間に舌を休めるのに使ったり、試験スタッフが注いでくれる水が少なければ開始前に足して、カップになみなみと入れておく。
・カッピングスプーンをコーヒー液に漬けたら、水で洗う前に、吐き出しカップの中でよく振って水滴を落として、さらにキッチンペーパーの上で粉をよく叩き落としてから、洗うことで、限られた洗い水をなるべく汚さないように気を付ける。これ重要。カッピングの上手下手は、洗い水やキッチンペーパーの汚れ方で分かる、と心得よ!
・毎回安定して風味を感じるような啜り方をするのは難しい。そこで編み出したのが、一つの検体を3回連続で啜る、という方法。ズズッ、ペッ、ズズッ、ペッ、ズズッ、ペッ、とリズムよく少な目にすすると、上手くフレーバーが取れる瞬間がある。ただし、この方法は各検体一回限りの秘策と考えた方が良い。過ぎたるは及ばずが如し、というやつで、何度もカッピングすると舌が麻痺してきて、むしろ混乱する。実技試験は結構長丁場である。
合格最低点: 実技80点、学科80点
以上、長々と書いてしまったことご容赦願いたい。僕の場合は幸いにして、ギリギリとはいえ一発合格できたが、2級受験のとき事前講座を担当してくれた自家焙煎珈琲豆の店を経営するT講師は、「自分は3回落ちた」と言っておられたので油断はできない。
なお、不合格の場合は約4か月後に再試験を無料で受験できるとのこと。
ここまで読んで頂いた方の合格を心からお祈りいたします!
コメント
>>1
kateさん、1級試験に臨まれるのですね。
最後まで集中して是非一発合格できるよう頑張ってください。
メールに直接頂けましたら、お役に立てる回答ができるかどうかわかりませんが、個別質問にも応じますよ。 KazuhiCoffee@gmail.com までどうぞ。
こんばんは!
ブログを拝見させていただきました。
カップのコツ、とても参考になりました。
3/12に実技の再試験があります。
個別に質問があるのですが、よろしいでしょうか?